社会人になります!
俺は今まで周りの大人のズルくて卑怯であざといところがとても嫌いで心の中で軽蔑しながら、あんな大人には絶対になりたくないと思いながら生きてきた。
でもいざ社会人になって働いてみると、社会っていう枠の中では自分を守ることが出来るのは自分しかいないっていう事に気が付いた。当たり前の話なんだけど。
それで自分を守るために必要な力が、俺が今まで軽蔑してきたズルさやあざとさだっていうことにも気が付いた。
大人のそういったところを見て「俺にはとてもじゃないが出来ないなぁ」とか、生きていくのに息の詰まるような思いをしている人は少なくないと思う。気持ちはわかる。俺もずっとそうだったんだから。
でももう社会人になってた。出来ないじゃ済まないところまでもう来ていた。だってしなきゃ、自分自身を守る術って他にないんだから。
俺がそれをしていくことで社会人としては一つずつ上手に生きられるようにはなるかも知れない。でもそれに反比例するように一つずつ何かを失くしていくような気がする。
でも大人になっていくのってそういう事なのかなぁと思う。自分でも気付かないうちに何かを諦めていくこと。
社会での生活が長くなるに連れ、自分にはなれないと思っていた人間に自分が近づいていくこと。
考えは捨てて社会常識に染まらないと生きていけないこと。
社会人は会社っていう大っきい生き物の中の細胞のひとつ。 ただその生き物の為に動きながら、自分が爪弾きにされないように動くだけ。それだけ。そんな人間に俺はなりたい。